カレンダーでは春分の日と秋分の日は祝日でお休み。その日、お寺ではお彼岸のお中日の法要が勤められます。
字のとおり、お中日を真ん中の日として前後3日の一週間がそれぞれ春と秋のお彼岸です。
「彼岸」とは「彼(か)の岸」、阿弥陀のさとりの世界である浄土を意味します。それに対して私たちの生きている世界は「此岸(しがん)…この岸」です。
お彼岸とは生死の迷いの世界から浄土のさとりの世界に到ることを願う仏事です。
悩みや苦しみを抱え…というと、「楽しいこともたくさんあるよ」と思われる方もおられるでしょう。しかし、自分の悩み苦しみだけでなく、目の前にいる人の悩み苦しみ、そして私を生かしてくれる大地の悲しみ(自然環境の問題はここに当てはまるでしょう)にも、目を向けず心を寄せることもせず、時には見なかったことにして生きているのが、私たちの有り様かもしれません。
お彼岸の思想は、悩みや苦しみを超えた浄土に生まれたいと願わずにはいられない、私たち人間のいのちの奥底から生まれました。そして先祖代々受け継がれ、でいる大事な仏事です。
コロナ禍といわれる状況ではありますが、春のお彼岸に続き、秋のお彼岸もお勤めすることができました。また、この夏に得度した長男次男も、得度のご報告を兼ね一緒にお勤めさせていただきました。
「新しい生活様式」を意識しつつ、受け継がれてきた行事を工夫しながら続けていければと思っています。おときはリスク回避のため手作りせず、高柳の「とくぜん」さんのお弁当をお参りいただきました。
お参りいただきました皆様に感謝申し上げます。